起こらないはずの事が起こる! [投資の勉強]
投資に係わっていると、本来は一生のうちに1回も経験す事は無いだろうと思われるほど発生確率の小さな事に遭遇する事があります。リーマンショックなどの100年に一度と言われた経済危機はその良い例です。
フラクタルで有名なマンデルブローは経済や投資分野でも面白い研究をしています。彼によれば、従来、起こる確率が極めて小さいと思われたことが、それよりはずっと起こりやすいのだそうです。
いろいろな事象の発生確率を理論的に計算するとき、正規分布を仮定することがほとんどです。これは計算がしやすいからです。つまり、現実を正確に表しているからではなく、計算の便宜上、正規分布が用いられているのです。
ところが、どうも、現実の確率分布は正規分布よりも裾の減少の仕方がゆっくりなようなんですね。
言い換えれば、「滅多に起こらない事」が、正規分布で計算される理論値よりも遥かに起こりやすいという事なんです。
要するに、理論的に「ほとんど起こらないはずだ」と言っているのを過信すると危険なのです。